アシタのナミダ
声
「長谷部さん。久しぶりね」
拘置所に現れた月極先生は相変わらずの違和感を漂わせていた。
「今は、前田さんか。元気?」
「はい。元気です」
そう答える私の笑顔はぎこちない。
「今日はアナタに伝えたい事があるの」
いつもの微笑みが消え失せ、真剣な表情を見せた。
「話をする前に確認したいんだけど、全てを知る覚悟はある?」
知らないのは、忘れてしまう事より残酷だ。だけど―――
「今更何があるんですか? トキオは私が……殺したんです。この子の父親を」
日々大きくなっていくお腹の中に宿るモノ。
「私もカレンみたいに死ねばよかったんです」
「本気でそう思ってるの?」
「はい」
拘置所に現れた月極先生は相変わらずの違和感を漂わせていた。
「今は、前田さんか。元気?」
「はい。元気です」
そう答える私の笑顔はぎこちない。
「今日はアナタに伝えたい事があるの」
いつもの微笑みが消え失せ、真剣な表情を見せた。
「話をする前に確認したいんだけど、全てを知る覚悟はある?」
知らないのは、忘れてしまう事より残酷だ。だけど―――
「今更何があるんですか? トキオは私が……殺したんです。この子の父親を」
日々大きくなっていくお腹の中に宿るモノ。
「私もカレンみたいに死ねばよかったんです」
「本気でそう思ってるの?」
「はい」