アシタのナミダ
「アナタは何もわかっていないのね。彼は―――アナタが殺したんじゃない。自殺したのよ。栄川は裁判でそう証言するつもりよ。
私もあの日のアナタの精神状態は極めて不安定だったと証言するつもり。これは紛れもない事実なの」
「でも私は、トキオを殺そうとしたんです」
「そうね、それも事実。だからと言って、アナタが死んでしまえばよかったなんて思うのは間違いよ。
そんな事をしたって誰も喜ばない。何のためにトキオさんが亡くなったのか、考えた事がある?」
私の歪んだ心を射抜く鋭利な光を放つ瞳。
「アナタのためよ。カレンさんみたいに悲しい思いをしないよう―――」
「トキオが……トキオがそう言ったんですか?」
私を見ているのは、誰?
「アナタの前に現れて、トキオがそう言ったんですか!?」
月極先生が言葉に詰まり、右手で髪を掻き上げた。
私もあの日のアナタの精神状態は極めて不安定だったと証言するつもり。これは紛れもない事実なの」
「でも私は、トキオを殺そうとしたんです」
「そうね、それも事実。だからと言って、アナタが死んでしまえばよかったなんて思うのは間違いよ。
そんな事をしたって誰も喜ばない。何のためにトキオさんが亡くなったのか、考えた事がある?」
私の歪んだ心を射抜く鋭利な光を放つ瞳。
「アナタのためよ。カレンさんみたいに悲しい思いをしないよう―――」
「トキオが……トキオがそう言ったんですか?」
私を見ているのは、誰?
「アナタの前に現れて、トキオがそう言ったんですか!?」
月極先生が言葉に詰まり、右手で髪を掻き上げた。