アシタのナミダ
いつか奇跡が起きて、






私の手を握り返してくれたら、





今までみたいに抱き締めて愛しているよと囁いてくれたら、





お腹の子の成長を二人で感じられたら。





全部エゴだよ。





どうして待ってあげられなかったの?





どうして、殺してしまったの?





「聞いてあげればいいじゃない」





甘く響く言葉が俯いた私に降り注ぐ。





「え?」





顔を上げると、そこには彼女がいた。





「あの時、アナタがアタシにしてくれたように」





白い肌は向こう側が透けて見えそうで、





「それが、できるよね? ジュリ」





浮かべる笑顔は、すごく、すごく綺麗だった。






「私にも……できるかな………?」






「できるよ」





そう言って頷く。





「アタシの大スキなジュリなら」





私は込み上げてくるモノを堪えながら、微笑んだ。





「そうだよね? カレン」







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