アシタのナミダ
「華恋。ごめんね」






しゃがんで顔を近付けた。





もっとよく顔を見せて。





「ママ。いたいいたい?」





と華恋は私の頬をさする。





「どうして?」




と訊ねると、





「ママ、なみだ」





と言った。





ああ、私は泣いているんだ。





千の昼、千の夜を待って、この子に出逢えた事に、この子のために生きていける事に。





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