ホットココアのキミ
流れでなんとなく駅まで一緒に歩くことになったけど、とにかく気まずい空気で無言で歩いていた。

「先輩」

突然話しかけられた私はどもった返事をしてしまって、慌てているのがバレバレな自分が恥ずかしかった。

「ん、な、なに?」

「急にあんなこと言って、困らせてすいません。でも、俺本気ですから。俺が気持ち伝えたことで、先輩俺のことさけたりしないでくださいね?」

ヤノっちは声こそは明るかったけれど、俯いたままだったので表情は分からなかった。

「そ、そんなことしないよ!確かにびっくりしたけど、大切な後輩だしさ」

「良かった!」

そういってヤノっちは満面の笑みで私を見つめた。
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