ホットココアのキミ
「…はぁ…先輩、あんまりかわいい事いうと知らないですよ?」

「え???」

「いえ、ちなみに…」

「何??」

「ヤノっちってやめません?さっきの矢野くんはなしで。あ、ついでに敬語やめちゃいますけど」

「敬語は全然かまわないっていうか、そのほうがいいけど…じゃぁ…なんて呼べば…いい?」

「下の名前。…知らないなんてこと…」

「知ってるよ!!!」

「じゃぁ、呼んで?」

「…こう…きく…ん…」

「ん?聞こえないよ?ってか“くん”は無しで」

「もう!聞こえてるんじゃん!!」

「呼んでほしいんです」

そういって満面の笑みで私を見つめた。
< 44 / 84 >

この作品をシェア

pagetop