【 腐りかけのteenager  】
「で?何したの?」

「えっ・・・?何って・・・解りません・・・。」

私は小声で答えた。

「はぁ?」

たちまち男の口調は怒り声に豹変した。

男は持っていたコーヒーを飲み干し、煙草を空き缶にグリグリっと押しつけ消した。

「お前何でここに呼ばれたのか、解ってないようだなぁ~!」

そう言い、男はムクッと立ち上がった。

と同時に、男は私の肩を力づくで押した。

私はその反動で空き屋に叩き付けられた。

痛い・・・

怖い・・・

私の目からは大粒の涙・・・

男は私の顔をかすめるように、ドンッ!と空き屋の壁を思いっ切り殴った。

「泣いたからって許されると思ったら大間違いだぞ!」

男の声は、初めて電話で聞いた時の怖い声と同じだった。

私の心は恐怖で押しつぶされそうだった。
< 139 / 312 >

この作品をシェア

pagetop