【 腐りかけのteenager  】
7a.m.

私はいつものように目覚ましで目を覚ました。

と言うよりは、目を覚ました振りをした。

あんな事があってからゆっくり寝れるほど、私の神経は図太くない。

「おはよう・・・。」

いつものように不機嫌そうにお母さんに挨拶をした。

お母さんは私の姿を見るなり、キンキン声で怒鳴ってきた。

「マキ!あんた夜中に家出てったでしょう!お父さんがドアが開いた音がしたぞ!って言って見に行ったのよ!そしたら、あんた居ないから・・・。あんな時間にどこに行くのよ!真面目になったかと思ったら・・・。」

お母さんの声は後半、明らかに弱くなった。

むしろ、少し呆れているようにも聞こえた。

ごめんなさい・・・。

でも、これも家族を巻き添えにしたくなかったから・・・。

仕方がなかった事なの・・・。

私はそう心の中で呟いた。

「友達が忘れ物届けに来てくれて・・・。」

私は思いついた言い訳をとっさにした。

こんな言い訳、誰が信じるの?と思ったが、他に思いつかなかった。
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