【 腐りかけのteenager  】
始めに会った場所へ行き、再現VTRのように1から説明する・・・。

高校生の私にとってそれは、過酷としか言い様のない物だった。

他人に何処でどういう風にエッチをしたかなんて、話すのは並大抵の恥ずかしさではない。

警察官は1日で全てを話すのはかなりの負担だと良い、数日に分けてくれたが、毎日のように通わなければならない警察署はとても苦痛だった。

もちろん両親も警察署に呼ばれ、簡単に経緯を聞かされていた。

母はすぐに察した。

「あの夜中に出て行った日の事でしょ!」

「うん・・・。」

親の勘は鋭い・・・。

「何で相談してくれなかったの!」

母は泣きながら私の両肩を握り、強く尋ねてきた。

「だって・・・言ったら絶対、出てくるでしょ?他人に言ったら一家皆殺しって言われたから・・・。私一人我慢すれば、それで済む事だと思って・・・。」

「もう!あんたはいつも考えが浅はかなんだから・・・。バカッ・・・。」

そう言うと、母は私をギューッと抱きしめた。

「怖かったでしょぅ・・・。」

私達親子は警察署の廊下で2人してワンワン泣いた。

母親は子供がいくつになっても、自分を犠牲にしてでも子供を守りたいと思うのだと思い知らされた。
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