【 腐りかけのteenager  】
「おはようごじゃいますぅ~・・・。」

私は職場に着くと疲れ切った声で挨拶した。

「マキちゃん、どぉしたの?顔やつれてるよ・・・。今日夜勤してたの?」

「いえ・・・違います。ちょっと寝不足で・・・大丈夫です。」

私は顔を引きつらせながら、返事を返した。

昨日の事を職場で話したら、偽装結婚だと歌われるに違いない。

私は悩みを先輩にうち明ける事が出来ず、その日1日モヤモヤした気持ちで仕事をしていた。

仕事に集中しないと・・・。

そう思えば思うほど、気になって仕方がない。

病棟内で見かけるスーツ姿の人は、みんな健二さんじゃないかと思うくらい、

通り過ぎる度に見入ってしまう。
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