【 腐りかけのteenager  】
そして、次にかけた先は健二さんの実家。

婚前に夫の無断外泊なんて知られたら、格好悪い。

私は悟られないように電話をしなくてはならない、と思った。

プルルルル・・・

「もしもし。尾崎ですが。」

迫力満点のお父様の声・・・。

「もしもし?健二さんいらっしゃいますか?私、高校の同級生で南と申します。」

「少々お待ち下さい。」

ピロリロリ~♪タリラリラ~♪

はぁ・・・?

お待ち下さいぃ~?

受話器から流れる陽気な音楽に私の怒りが触れた。

「もしもし?代わりました。」

何も知らない健二さんのアホ声。

「もしもし?」

私の声は自分でもビックリするくらい低いトーンだった。

「・・・・・・・・。テメェ実家に逃げたのかよ!何してんだよ、そんなところで!!!」

ヤンキーマキの復活だった。

< 291 / 312 >

この作品をシェア

pagetop