【 腐りかけのteenager  】
◇援助交際
それから2週間後、パパから急に電話がかかってきた。

「今日出張から帰れそうなんだ。良かったら、夜付き合わない?」

私は、特に予定もなかったので、「大丈夫です。」と答えた。

本当はいくらですか?と聞きたかったが、聞く勇気がなかった。

なんで、こんなところで遠慮の塊の日本人を発揮してしまうんだ・・・。

と、自分で自分が馬鹿馬鹿しく思えた。



その日の夜、私は待ち合わせの場所に向かった。

黒いジャケットに身を包み、パパが立っていた。

精一杯お洒落をしたのか、少し若く見えた。

「こんばんわ。」

私が声をかけると、パパは顔を真っ赤にしながらも、私の格好を上から下まで嘗め回すように見た。

こういう仕草を見ると、やっぱりオヤジだー!!と思った。

「行こうか。」

そう言い、パパは私を路地裏の喫茶店に連れて行った。

人目につきにくい喫茶店。

こんなところにお店があったんだー、と思うような場所だった。

パパは私に「俺達って周りから見たらどう見えるのかなぁ~?」

と聞いてきた。

私は迷わず、「親子じゃない?」

と答えた。

パパは急にムッとした。

゚ ゚≡Σ(∀ |||) エェェェッ!

なんて言って欲しかったんだろう・・・?

その時の私にはパパの気持ちは分からなかった。

だってオヤジにしか見えないんだもん・・・
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