【 腐りかけのteenager  】
私は目一杯泣いていた。

何分泣いたんだろう?

気が付けば目の周りは真っ赤に腫れ上がっていた。



私…

実聡が好きだったんだ…



今更気付くなんて、もう遅い…?



私は自分の心を押し殺して、部屋に戻った。

帰りが遅かった私を心配して、小太ちゃんが駆け寄ってきた。


「大丈夫か?」


「うん。

 …ありがとう。」

小太ちゃんは私の顔を見るなり、何も聞かず頭を撫でてくれた。

今日は人の優しさが痛いほど心に染みた。
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