見習い天使と勇者たち
「あ、ありがとう…」
一通りモンスターを倒した後、命の恩人である少年に礼を言った。
「………」
かなり無口なのか、返事はない。
「じゃ、私はこれで…」
「……お前」
「え?」
少年はゆっくりとナーザの方を向いた。
「お前、天使?」
「そうだけど、それがどうかしたの?」
少年は溜め息をつくと、ナーザに説明をし始めた。
「この世界の奴は、"天界ノ者"の存在を信じていない」
"天界ノ者"…つまり、天使と悪魔。
「えっ、嘘。他の世界は普通だよ?」
「ちなみに此処は異世界との交流も一切ない」
「んな!?」
ナーザは驚いた。 そんな原始的な世界があるなんて!
「天使って、尻尾あったっけ?」
少年はナーザの尻尾を指して言った。
「あー、皆には生えてないよね。私だけだよ、しかも黒髪で赤目なのも。皆から獅子みたいとか悪魔みたいとも言われたわ!」
ナーザは少し膨れながら、少年に話した。
「ところで君は…」
この原始的なミレリィアに住んでいるのに天使や悪魔の存在、ましてや尻尾が普通は無い事まで知ってるなんて…
一体何者?