見習い天使と勇者たち

「…ザディアカル」

「え?」

「俺の名はザディアカル・キリルシアだ。お前は?」

「ナーザだよ」

「短いな」

「君が長いんでしょ。長いから、うーん…頭文字取ってザキって呼んで良い?」

「好きにしろ」

さっきの疑問は全部吹き飛んで、ナーザは異世界で仲間…ザディと出会えた事にとても喜んだ。

ナーザは例の城へ向かいながら、ザディに色々な質問をした。

年齢、住んでる場所、今何をしているのか、美味しい物は何かとか…。

「へー!ザキは私の一つ上なんだ!」

ザディも、質問に答えながらナーザに付き合って城へと一緒に同行した。

理由は「暇だし、この辺りはモンスターが多い」と、至ってシンプルなもの。


ザディはモンスターを狩る、傭兵業みたいな事をしていた。

しかしつい先日、

『君は誰よりも強いけど、同じ部隊の奴と同調出来ていない』

という理由で追い出されてしまった。

「じゃあ私が天界に帰るまで、一緒に行動してくれる?」

とナーザが聞くと「別に良い」と了承してくれた。

「ありがとう!」

ナーザは満面の笑みでお礼を言った。
< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop