見習い天使と勇者たち
「…ザディアカル」
「え?」
「俺の名はザディアカル・キリルシアだ。お前は?」
「ナーザだよ」
「短いな」
「君が長いんでしょ。長いから、うーん…頭文字取ってザキって呼んで良い?」
「好きにしろ」
さっきの疑問は全部吹き飛んで、ナーザは異世界で仲間…ザディと出会えた事にとても喜んだ。
ナーザは例の城へ向かいながら、ザディに色々な質問をした。
年齢、住んでる場所、今何をしているのか、美味しい物は何かとか…。
「へー!ザキは私の一つ上なんだ!」
ザディも、質問に答えながらナーザに付き合って城へと一緒に同行した。
理由は「暇だし、この辺りはモンスターが多い」と、至ってシンプルなもの。
ザディはモンスターを狩る、傭兵業みたいな事をしていた。
しかしつい先日、
『君は誰よりも強いけど、同じ部隊の奴と同調出来ていない』
という理由で追い出されてしまった。
「じゃあ私が天界に帰るまで、一緒に行動してくれる?」
とナーザが聞くと「別に良い」と了承してくれた。
「ありがとう!」
ナーザは満面の笑みでお礼を言った。