ひきだしから、男子!

  牡丹は激しく鳴っ

 ている心臓を落ち着

 かせながら、重たい

 気分になった。家に

 帰ろうと足を踏みだ

 したとき、Bの体が

 ぐらっと傾いた。

 慌てて支えようとし

 て、一緒に倒れそう

 になる。なんとか踏

 みこたえる。

 「重いよ」

 不満の声を

 あげるが、

 しばらく待っても返

 事がない。

 「B?」

 頬を叩いてみる。

 彼のまぶたは固く閉

 ざされている。

 「起きてよ、
   あんた重いよ」

 でこぴんする。

 ぴくりとも、動かな

 い。仕方がないので

 引きずって帰ること

 にした。

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