ひきだしから、男子!

  ソファになんとか

 寝かせて、Bの額に

 濡れタオルをのせ

 る。彼は薄く目をあ

 けた。

 「時間切れ
     っぽいわ」

 弱々しく笑う。

 眉根を

 きつく寄せて、

 牡丹はソファーの側

 に正座した。視界が

 歪む。

 「じゃあ、

 もう死んじゃうの」

 彼はゆっくりまばた

 きして、

 うなずいた。 

 沈黙がおりる。

 牡丹はなんともいえ

 ない気持ちに、なっ

 た。心臓を誰かに絞

 られていくような痛

 みを感じた。思わず

 彼に抱きついた。勢

 い余って、頭突きし

 た。
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