ひきだしから、男子!

 Bは声にならない声

 をあげて、悶絶しそ

 うなのを、堪えてい

 る。牡丹もあまりに

 痛くて涙がでた。

 畑山が死んだとして

 もたぶん牡丹は泣か

 ない。

 ただ悲しいと思うだ

 けだ。

 だが、Bがいなくな

 るとなるとわけが違

 。透かみかこが死ん

 でしまうのと同じく

 らい、痛いことだと

 感じた。

 「もうだめ……
    俺、死ぬわ」

 「ウニ野球全刊あげ

 るから死なないで。

 死んじゃったら、

 もう、一緒にゲーム

 できないじゃん」

 彼はふわっと目を見

 開いて、しゃくりあ

 げる牡丹の背を、ぽ

 んぽんと叩いた。
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