ひきだしから、男子!

 「泣いて

 くれるわけ? 

 俺、変態なのに」

 「それでもいいから

 死なないで」

 牡丹はずびずび鼻を

 すする。Bは面白そ

 うに笑ってから、

 ちょっと反省したよ

 うな顔をした。

「じゃあさ、智佐って

 呼んでよそしたら死

 なないかも……」

 牡丹は涙を拭いて、

 赤い目で彼を見た。

 「……智佐」

 Bは、心底嬉しそう

 に笑った。色素を抜

 かれていくように透

 けていく。

 そして、何も言わず

 に消えてしまった。

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