My Romeo & Your Juliet ~俺様部長×地味子~《完》
「お前は、本番とんでもないことやらかしそうだな」

先輩はあたしのほうに振り返って、笑顔を見せた。

さりげなく飲み込んだはずのジュースが、ゴクリと音を立ててあたしの喉を通る。



「そんな…」

先輩と一緒にステージに立つ自分を想像してみる。

確かに何かやらかしそうだ…

そしたら、先輩はあたしを助けてくれるんだろうか。



「お前って、本当はいいキャラしてそう」

練習の時とは違って、優しい目であたしを見る先輩。

そんなにまっすぐ見つめられると緊張してしまう。



「そんなことないです…」

オレンジジュースを持つ手が微かに震える。

あたしは、両手で缶を持ち直した。
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