☆空色の傘☆【完】


その言葉を聞いて下のほうから「グッ…」と涙を堪えているような声にならない声が聞こえた。


「そ、う…ですか…あと…4日、か…」


今日は水曜。


週末は連休で、しかもX'maseveがある。


なんだか、辛い連休になりそうだった。


☆☆☆


3人で病室に居るが、誰も口をきかない。


蒼でさえ、なんだか思い詰めたような顔だ。


亮一はせっかく本気で好きになれそうだった彼女が事故にあい、さらには目を覚まさず、ついには県外に転院してしまうんだ。


俺は何にもしてやれないし、言えない。


自分に置き換えると辛く苦しくて、息もできないんじゃないかってくらい、世界の終わりに思えてくる。


「よしっ!!決めたっ!!
土曜日、パーティーしよう?
X'masパーティーー‐‐!!」


「「はっ?」」


いきなりの蒼の元気な声に、亮一と二人、揃ってしまった。


「なに、するって?」


「ん~~?パーティー!
ここでっ!!」


「「ここで??」」


さらに声を揃えて叫ぶ俺達…


蒼の頭はいったい…


「早速、カンナに連絡してぇ
あ、病院のせんせ~にもだ、
あとはぁ…あ、麗ちゃんママも、と…」


次々にメールやらして、自分の手帳にいろいろ書き込む蒼。


「蒼……」


俺は唖然としてしまった。


< 100 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop