☆空色の傘☆【完】
その言葉を聞いて下のほうから「グッ…」と涙を堪えているような声にならない声が聞こえた。
「そ、う…ですか…あと…4日、か…」
今日は水曜。
週末は連休で、しかもX'maseveがある。
なんだか、辛い連休になりそうだった。
☆☆☆
3人で病室に居るが、誰も口をきかない。
蒼でさえ、なんだか思い詰めたような顔だ。
亮一はせっかく本気で好きになれそうだった彼女が事故にあい、さらには目を覚まさず、ついには県外に転院してしまうんだ。
俺は何にもしてやれないし、言えない。
自分に置き換えると辛く苦しくて、息もできないんじゃないかってくらい、世界の終わりに思えてくる。
「よしっ!!決めたっ!!
土曜日、パーティーしよう?
X'masパーティーー‐‐!!」
「「はっ?」」
いきなりの蒼の元気な声に、亮一と二人、揃ってしまった。
「なに、するって?」
「ん~~?パーティー!
ここでっ!!」
「「ここで??」」
さらに声を揃えて叫ぶ俺達…
蒼の頭はいったい…
「早速、カンナに連絡してぇ
あ、病院のせんせ~にもだ、
あとはぁ…あ、麗ちゃんママも、と…」
次々にメールやらして、自分の手帳にいろいろ書き込む蒼。
「蒼……」
俺は唖然としてしまった。