☆空色の傘☆【完】


「酒井くん、麗ちゃんに
贈り物する?
うちらからのが、かぶらないように
良ければ聞いておきたいなぁ」


どんどんと話を進める蒼。


亮一も嘆いていられるような状況でなくなり、「えっ?あ…そ、そうだな…ピアスって考えてた、けど?」とついつい返事してる。


「あ、いいねぇ~ピアス。
邪魔にならないし、いつも一緒って
感じ、するもんねぇ…
そっか、そっか、じゃぁ…」


また、メールしながら考え込む。


その姿をみていてなんだか、はっきりは分からないが、蒼は七瀬さんと仲間の為に今できる事を頑張ってる、理由とかそんなんは後からだ、今は時間がないんだって、そう受け止める。


「蒼、俺はなにする?」


「はっ?空?お前まで…」


戸惑う亮一の声を笑顔でかわして、「まぁ、楽しもうぜ!」と答えた。


☆☆☆


それから病院をでて、蒼の家にいき三浦さんと合流し、クラスのみんなにも連絡をいれた。


病院からの帰りに担当医師と七瀬さんのお母さんに許可をもらい、病院内の普段は患者が入らない、会議室を貸してもらえることになった。


七瀬さんの事故はニュースにもなり、学校中に知れ渡っていたので、当然クラスメイトもしっている。


声をかけると、なんと、全員から出席メールが届いた。


クラスを思う、友人を思う、その気持ちはみんな同じだったのだと、つくづく思い知った。

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