☆空色の傘☆【完】
「麗香さんに今のところ
異常はみられませんが…
2ヶ月も意識が戻らなかった
ことを考えると、急に
全てを元の生活に戻すことは
かなりの負担になりますから、
ゆっくりと、焦らずに
で、お願いしますね」
医師からそう話があり、大晦日、麗香は退院することになった。
☆☆☆
「亮…あのときのあたしの
荷物ってどうなってるのかな?」
聞かれて棚の下に入ってた、警察から還されたバッグなんかをベッドの上に出してやる。
すると、何かを探し出した。
「あ、あった…亮の忘れ物…」
「そうだ、何だったんだ?」
「はい、どうぞ。」
麗香が渡してくれたのは、以前見た、麗香のスマホに付いていたのと同じ手作りストラップ。
「あ…そうだな…ありがとう」
改めて受け取りそっと麗香にキスをした。
そうだ…あの日、それより少し前に貰っていたが引っかけて緩んだから直してもらったのを受けとるんだった。
事故の日はそのストラップは見せられた荷物になかった。
後で聞いたら、翌日の現場検証で見つかったらしい。
その日の夜はクラスメイトからの返信に、さらに返すメールでいっぱいだった。
《亮一side end》
☆☆☆
パーティーから二日後の夕方、俺と蒼はショッピングモールで買い物してた。
そこに亮一から電話。