☆空色の傘☆【完】
「俺はさ、スケボーしてるから、
きっとバランスいいぜぇ~」
なんていいながら、「スタートっ、1、2、3…」と持っていたサッカーボールを頭に乗せてゆらゆら…
ひとりで「うわぁ~っ…」とか、「オワッ?」とか叫びながらフラフラバランスをとる。
「あんた、バカみたい…」
一言めがこれで、俺は普通にムカついて怒ってしまった。
すると、怒られてるのにどこか、嬉しそうな瞳をしてこちらを見てる。
そしてポツンと呟く。
「みんなさ…俺を見てない気がする…」
6年生の言葉ではうまく言い表せなかったのか、「ん、違う…機嫌とりする?か?おどおど?…」なんてブツブツ言い直してる。
そいつの言わんとすることが、何となく分かった気がした。
☆☆☆
それから俺たちは友達になった。
そいつは相川柊(あいかわしゅう)といった。
そして、食事制限があることも分かった。
休憩室で他の子が食べているクッキーを横目で羨ましそうに見ていたが、俺の視線に気が付くと「あんなさ、お子さまな女子みたいな食い物、俺はキライ…」と早口に言った。
その時に何となく先が見えた気がした。
俺が頑張れて笑顔でいられて、隣にいるやつも笑顔に出来る、そんな未来が。