☆空色の傘☆【完】
書き上がったデザインは『ウェディングドレス』…薄く空色を着けた。
先走り過ぎだと呆れられるか、否か。
少し不安はあったけど、きっと喜んでくれるとどこか自信もあった。
出来上がったデザイン画を写真などいれる額に入れてリボンをかけた。
あとは、土曜日を待つばかりだ。
☆☆☆
正午ちょい前に待ち合わせの駅に行く。
今日は雪が降りそうな空気のキ~ンと冷えた日だ。
蒼はどんな格好で来るかなぁ…と思いながら待ってると白の短い丈のフワフワコートに黒のスキニーと黒の編み上げブーツで歩いてきた。
今日の俺は黒のダメージジーンズにノルディック柄が少しだけ入ったダーク色のニットコート。
色合いはバッチリかなぁなんて考えながら手を振った。
「空っ♪お待たせ、ごめんね」
目の前に来た蒼が、俺を見るために必然的に上目で見てくる。
寒さで染まった頬とグロスのピンクが可愛くて思わずチュッ…
目を閉じるまもなく離れた唇に、驚きながらも小さな声で「うれしい…」と呟いてた。
「まず、昼食べよう?」
「うんっ、何にする?」
「夜はさ、三浦さんのカフェ行こう?
だから、昼はファミレスな。」
「えっ?もしかして、お店の
バレンタインセット、予約してくれたの?」
「当然だろ…」
「うわぁ~…嬉しい…
あれ…試食出来なくて…
写真だけしか見てなくて
とっても気になってたんだよぉ
ありがとう!空っ!!」