☆空色の傘☆【完】
原因は気にせず、結果だけ見てどうしようかなぁって悩む蒼。
他のやつらなら、落としたであろう怯えてる女子に対してまず何か言うんだろうな。
俺はといえば怒りを越えてただただ呆れた…。
たぶん、俺たちが席を立ったのを見ていたか、教室を覗いて確認したかして、俺の机に近づいたんだろう。
3人が先を急ぐようにしたのか、何かの衝撃を机に与え、弁当箱が落ちたってところか。
実際、俺の机は斜めにずれている。
それを側にいた亮一らにとがめられ、3人は互いに罪をなすり付けあってた、とかそんなんだろう。
俺から離れて蒼が椅子の横にしゃがみこみ、「上手く持ち上がるかなぁ~」と、決して暗くない声で呟きながら、床の弁当箱を手でつかんでる。
「俺がやってやろうか?」
俺も側にしゃがみ蒼に聞く。
「あ、やってくれる?
私、こうゆうの、失敗しそうなんだよぉ
今日は卵焼き頑張ったから、
それが生き残るように、ねっ!!」
教室のピリピリ感もなんて気にもせず、さらりと流してしまって今の関心は卵焼き。
俺の手元を息をのむようにして見つめてる。
「フッ…クククッ…」
思わず笑いがもれた。
「空…こいつらは…?」
そのとき亮一が事を収拾しようと聞いてきた。
「さぁ、俺に何か話しかけてきた
訳じゃねぇし、知らねぇ。」