☆空色の傘☆【完】


「いやぁ~ありがとう!!」


全てが終わり、控室に星野さん、イベント企画会社社員、モール担当者、そしてモデルが集まった。


星野さんは嬉しそうにみんなを見回して笑顔を向けた。


デザイナーには気難しいイメージがついて回るが、星野さんは気さくで明るい人柄。


周りの人がついつい、星野さんのためなら頑張りたいと、思ってしまう雰囲気をもっている温かい人だと、今日、接して判った。


「明日美さんも、神木君も
そして神崎さんも素晴らしかったよ、
服が生き生きしていて
嬉しかった、ありがとう」


そんな風に言って貰えて最悪から最高になった今日が、最上級の喜びをもった。


最後のデートコーディネートをプレゼントしてくれて、連絡先の書いてある名刺までもらって、ようやく、解散し二人で帰ることになった。


今回のことは急だったけど、いい想い出がまた増えて幸せだ。


蒼もニコニコだ。


☆☆☆


夕方だったので、少しだけモール内を見て回り、疲れもあったから帰ることにした。


「今日はありがとうな。蒼」


「ううん、私こそ、ありがとう
ちゃんと事情を話してくれて、
そしてステージに立つことを
応援してくれて…素敵な時間だったね」


二人で体験したバイトは本当に素晴らしい経験になり、これが二人の未来にまた少し、方向を示してくれることになる。




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