☆空色の傘☆【完】
「ありがとうな」
受け取り、大事にポケットに仕舞った。
☆☆☆
水族館を出て、近くのカフェに入り休憩する。
「あぁ~ほんと
たのしかったぁ~」
蒼が話しながら、さっき買ったストラップを鍵に付けている。
「あ…俺も…」
他愛ないことを話しながら俺も自宅の鍵にストラップを追加する。
「フフゥ~♪♪♪お揃い♪」
鍵を持ち上げながら見て笑ってる。
俺もつけ終わり、掲げて近づけた。
二頭のイルカがゆらゆらと仲良く寄り添っていた。
「空…?」
「ん?」
「うん、あのね…あとこれを
受け取って貰えたら
嬉しいんだけど…」
蒼はスクバから紙袋を取り出して、俺に差し出してきた。
「えっ…?」
驚きながらも袋に手を入れると布…?
ふわふわしたそれをつかんで二人の間に出した…
…………こ、れ…
あのデザインのドレスだ…
そこには、俺がバレンタインで渡したデザインのウエディングドレスのミニチュアが、見事に再現されて、目の前にあった。
「あのね?あのデザイン画…
ほんとに嬉しくてね?
形にしたいと思ったの、
空の素晴らしいデザインと
私が安心出来てる空の想いを。」
そう話して、熱い眼差しで見つめてくれる。
俺は…不覚にも涙がこぼれ落ちた。