☆空色の傘☆【完】
「俺のためにとかさ、
あたしのせいでとかさ…
なんか余計なこと、言い出さなきゃ
いいなぁって…ほんの少しな…
考えた、ごめんっ!」
その考えは、陸也に言われた時にも、自分の親に話をしたときにも、チラリと浮かんだ。
だけど、その考えは、『空が全て』と全身で気持ちをくれてる蒼に対して、なんだか、妙な罪悪感というか、後ろめたさを感じた。
そして、今までのそんな蒼の傍にいたら、蒼がために、とか…せいで、とか、いうことはないと、気がつかなければいけなかったんだ。
「今は?」
蒼は探るような目で俺を見つめてくる。
「今は…蒼の全てを信じてる、
俺が、蒼の傍にずっと居たい。
離れられないよ…」
「うんっ!!
それ聞けて良かった…」
ようやく安心した笑みを浮かべてから目を閉じた。
「疲れたか?」
「ん~少しだけ…
ちょっとだけ…寝ていい?」
「あぁ、いいよ。
夕飯きたら起こしてやる。」
「公園は?
最近、ちゃんと練習してる?」
「人の心配はいいのっ!!
寝てろっ…」
無理矢理まぶたを押さえて布団を上からかぶせる。
「そらぁ、苦しいよぁ~」
こもった、そして笑いの含まれた声が聞こえる。
しばらく、いろいろ言ってきたが、静かになったので布団をめくると、穏やかに寝息をたてていた。