☆空色の傘☆【完】
初夏になり、夏服を着出して体調がかなり快復した蒼は体育も軽く始めたり、バイトを週に1、2回入れてみたり、俺がデザインしたものを服にしてみたり…充実していた。
俺はスケボーにも行きながら夜は服やアクセサリーのデザインをひたすら書いたり、たまに父親に頼まれてイベントの裏方(絶対に表には出ないと強く約束した)のバイトをしたり、やはり、充実していた。
☆☆☆
穏やかな日々は7月になり、テストが近づくことでほんの少しだけ、波立った。
俺の誕生日が来月に迫り、蒼がそれに合わせてバイトを増やしたのを感じて、嬉しさと寂しさが入り交じっていた。
テストは蒼は全教科で5番以内に当然入り、俺はまぁ…赤点ではない…成績。
☆☆☆
放課後、蒼は三浦さんとなぜか中谷さんも一緒にショッピングらしくて、なので俺は達馬と公園に行くことにした。
☆☆☆
「なぁ…あの蒼の周りをチョロチョロ
してるやつ、なに?」
ひとしきりパフォーマンスして汗をかいた後、ベンチに座りながら達馬が聞いてくる。
「ん~……
俺もよくわかんねぇ…
なんか、蒼の事が好きだとか、
三次元の本物の恋愛を学びたい
とか…いつも騒いでる…
正直、俺は気にくわないし
胡散臭い気がしてるけど…
蒼は…な…?」