☆空色の傘☆【完】
「あぁ…人を最初から疑うとか
そうゆう思考力ねえもんな?」
「そっ…だから、慌てても仕方ねえし、
まぁ、俺が守ればいいかなと…」
「ふぅん…まぁ、なんかあれば
言えや…蒼のためなら力…
貸すからさ…」
「はっ、素直じゃねえなぁ…
俺らを助けたいですって、
言えばいいだろ?」
そんな会話をしながらも、まぁ、そんなに深刻には捉えてなくて、まぁ、ちょい、毛並みの変わったダチなんだと、思ってた。
………思い込んでた……
☆☆☆
五時近く、今日は蒼が来ないから早めに上がろうとして、帰り支度をしていた。
すると……
「すみません…ちょっと…」
声の方を見ると高校生にしては大人っぽい女性が、それでもどっかの制服らしい格好で俺の側に立ってて、俺の返事を待ってるようだった。
「あ?何?」
基本、蒼以外の女性に対して冷たいってか、覚めてる俺は、少し、声をかけてきたやつを睨みながら返事する。
「あっ、えっと……あの……」
恥ずかしそうにしながらモジモジしてる。
「早く……イライラする…」
「あっの、私、中谷…梨々香と
いいます…あのっ、
私を…だ、抱いてくださいっっ!!」
公園中に響く位のでかい声で、『抱いて』?だとぉ?!?