☆空色の傘☆【完】


「真剣な話?
俺にはねえな。」


「そぉ?聞いておいたほうが
いいと思うよぉ~
蒼ちゃん、だっけ?
刺されたんでしょう?」


「だからなんだ…」


自分でも驚く位の低い声で、思わず女だと忘れて胸ぐらを掴み上げた。


「イヤだなぁ、こわぁい~
話すわょぉ……
犯人さぁ、就職ダメになって
あんたの大切な蒼ちゃん、
恨んでるらしいよぉ~」


「はっ?んな訳ねえな、
俺らだってちゃんと
相手と話してんだ。」


「ふんっ!!そんなもの!!
罪が軽くなるためなら、いくらだって
嘘つくわよっ!」


「なんだとっ?
てめぇはあいつらの関係者なのかよ?
だからって、俺らにあれこれ
言ったりしたりは違うんじゃねぇの?!」


「そうだっ!悪りぃことしたのは
あいつらだ!!それで就職ダメになったからって
逆恨みしてんなやっ!!」


「うるさいわねっ!
あの女がああんなとこで、正義感
振りかざしたりしなきゃ、
そもそもあんな大事にはなってないっ!
あの女が…私と修の未来を奪ったんだっ!
修を返せっ!」


俺に掴みかかられてた胸元を振り払うと、渾身の力なのか、両腕を俺の首にからみつけて抱きついてくる。


「なっ!?やめっ…」


俺は必死にそいつの肩を押し戻そうともがくが、なかなかうまくいかない。





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