☆空色の傘☆【完】
夏休み
7月下旬、夏休みに入り、俺も蒼もさらに充実の日々。
そこに、思わぬサプライズが舞い込んだ。
☆☆☆
「それ…マジ?」
俺は普段は蒼の言うことをこんなに疑うなんて、有り得ない。
だけど、今回だけは、既にこれで、3回目。
「も~(笑)ほんとですぅ」
蒼は嫌な顔もしないで、また、答えてくれる。
何がこんなに信じられないか…
俺の誕生日に二人で旅行に行ってもいいと、両家の親が許したのだ。
蒼が両方の親に直接、誕生日プレゼントとしてお願いしたらしい。
来年は受験で遊ぶことは厳しいから、二人とも夢があるから、だから、今回だけは、と頼み込んだらしい。
場所は蒼の父親のつてで蒼が選んだ高原近くのホテル。
観光地らしく、往復は高速バスを使い行かれるらしい。
そのための条件は夏休み課題は半分以上済ませること。
信頼を得るために俺と蒼はバイトのないときはどちらかの家で課題をする日々。
今まで大嫌いな勉強も、目標が有れば頑張れるなんて…小学生みたいだけどしかたない。
楽しい旅行にするために、ひたすら頑張る。
そして、17年のなかで一番勉強した俺は、いつもの夏より色白で(笑)、でも、課題を半分以上ちゃんとクリアした。