☆空色の傘☆【完】


「うんっ!ありがと、空っ!
頑張りすぎないように
頑張るっ!」


訳の分からないこと言いながら、少し前向きになった様子に、俺も安心する。


「じゃぁ、明日はこっから
初登校だ、時間がかかるし、
そろそろ寝ようぜ。」


「うん、そうだよね。
で、明日は帰りに事務所に行くんだよね?」


「あぁ、星野さんに聞いたら
制服のまんまで構わないから
終わり次第来いって。」


ソファから立ち上がり蒼の部屋の前まで行く。


「じゃあ…おやすみね、空」


「ん…おやすみ…蒼」


蒼の頬を優しく両手で包み込み、顔を俺に向けさせてから、キスを落とす。


「んっ…っ…」


体は疲れてるけど、蒼を求めてて、軽いキスじゃなかなかおさまらない。


「んぁっ…ん…」


まずいと思い、最後に深くしてから、何とか唇を離す。


「ごめ、…抑えらんなかった…」


「イヤじゃ…ない、んだよ?
でもね?今日は、ね?」


「ん、分かってる。
じゃあ、おやすみ…」


それぞれの部屋に入る。


さっきの余韻もあり、眠れないかなと思ったが、さすがに最近の疲れが出たのか、直ぐに眠りに落ちた。


☆☆☆


「そらぁ~起きてぇ~」


目覚ましを止めた?ような記憶の中、蒼の声がする。


< 193 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop