☆空色の傘☆【完】
☆☆☆
昼休みの音楽室に、俺と蒼と中谷さんの3人。
「えっと…あの、7月のあの、
公園の時は、姉が失礼しました…」
「実可ちゃんが謝るのは
違うよ、ねっ?しないで?」
「蒼さん…ありがとう…」
そう返事をしてから、一度、深呼吸し話し出した。
「あの…結論から…言うと、ね?
何だそれ?って話なん、だ…けど。
えっと…姉と、事件の時の修って
彼氏…より、戻し、ました…」
言い切って、『謝らなくていい』と言われていても、つい、心情としてなんだろう、頭を下げていた。
「頭あげて?
ねっ?うん、分かったから。
大丈夫だよ。」
蒼は中谷さんの肩を押すようにして、頭を上げさせて、それでも下がってる目差しに、覗き込むようにしながら話しかける。
「俺ら…正直…中谷さんの姉さん、
そんなに気にしてた訳じゃねぇし。
俺らに何かしてきたりだったら、
対処を考えっけど…
そうゆうんじゃなけりゃ、
構わないから…
中谷さんがそんな気にすんなよ。」
俺も正直な気持ちを伝える。
すると、ようやく顔を上げた彼女は目に涙をためながら「ありがとう…」と呟いた。
就職が駄目になり、修という男はけじめのためにも中谷さんの姉さんに苦労をかけるのも嫌で、別れようと言ったらしい。
だが、二人で話し、支え合いたいとなって落ち着いたらしい…。