☆空色の傘☆【完】
ようやく唇を離した時には辺りは暗くて、公園に誰がいるのかは、直ぐには分からなかった。
上気した荒い呼吸を整えながら、見つめ合うとどちらからともなく、ニコッとして手を繋いで肩を寄せて…
「空くん…大好きなの…
傍に居るからね♪」
「フッ…あぁ、傍に居て…
俺も、蒼が大好きだ。
…あ、空くんじゃなくてさ、
空って、呼び捨てしてよ、なっ?」
「えっ、いいの?
めちゃ嬉しい!!私も呼びたかったんだぁ~」
頭をクリクリっと首の辺りに押し付けてくる。
「明日、楽しみだな、
誰と一緒かな…蒼と同じクラスに
なりてぇ~」
「わたしもぉ~!!」
「なっ!」「ねっ!」
俺のすげぇ勘違いから三浦さんに『終わりっ!』とまで言われた急展開を、なんとか避けることができた。
今回のことで分かったのは、蒼のことが何より大切で失いたくなくて、傍に居るためには素直にいろいろ話をすること、互いを分かったと思い込んじゃだめってことだ。
知り合って7ヶ月、付き合って1ヶ月…
蒼にすっかり溺れてる俺。
自分の勘違いで1ヶ月で破局しそうになったけど、今は幸せ。
ただ…明日からの高校生活がどうなるのか、期待より漠然とした不安が募る俺だった。