☆空色の傘☆【完】
「あ~、お前、は…酒井な、
よし、覚えた。
お前は遅刻したら数学職員室の掃除な。」
「えぇ~!?何で?俺だけ?
ズリィ…」
それをクラスメイトが楽しげに笑ってる。
亮一のお陰か早速、1組はいい感じになった。
「あぁ~じゃあ、ま、自己紹介
やるか、で、クラス委員決めて
今日は解散な、はい、相沢からぁ」
………
……
…
「神木空…花宮西中からきました
あ~こいつの彼氏です。よろしく…」
『こいつの』の時に蒼の頭に手を置きながら。
ニコニコ俺を乗り出しながら見上げてた蒼はビックリ顔で…ですぐにニコォってなった。
「ほぉ…神木は神崎とねぇ…
よし、次その神崎だ」
「はいっ♪神崎蒼、花宮東中出身
兄が3年にいます。
趣味は、フフッ…空が全てですっ!!
宜しくお願いしまぁす♪」
『空が全て』……恥ずかしいことをサラッと言ってくれた蒼。
案の定、クラス内は「キャァ~」とか「ラブラブ~」とか…
たいていはただの冷やかしと好意的な発言。
でも中には…
「ウザッ…バカらしくて
聞いてらんない…」
なんていうやつも…
「あれっ?ごめんなさいっ
七瀬さんっ、私バカなんだよねぇ
気を付けるっ」
なんて蒼はフォローしてるつもり。