☆空色の傘☆【完】
花宮町は俺も、陸也も、まぁ、蒼もになるけど…住んでる町。
スケボーする公園は歩いて10分で松宮駅に着く、花宮駅は1つ隣。
「花宮駅の駅前コンビニ
入った直ぐだっけ?」
確か、陸也が前に一緒に帰った時にそう言ってた気がして、蒼に振り向き聞いてみた。
「うんっ♪当たりです!
あっ、空君は?駅周辺なのかな?」
「ん?あぁ~俺は線路の反対側10分位、
だから同じ町でも、会わなかったし
学校違ったんだな…」
いきなり、さらっと『空君』とか、照れるし…
なんだか楽しげに口ずさみながら着いてくるけど、隣を歩かせたくて「ん…」と左手を彼女の前に出した。
クルクルっと目を見開いてから、今度はその目が無くなるくらいニッコリして「はいっ!!」と右手をポンと乗せて隣に来た。
その手をきゅっと握り、また歩き出す。
チラッと隣を見るとニコニコと繋がる手を見ながら歩く蒼。
それを見てる俺の顔も、いつのまにか柔らかく緩んでた。
こうして初めて蒼を送ってからは、蒼が来る日は帰りは俺と…が普通になってた。
冬休みから2月の受験当日まではさすがに真面目になれと叱られ、スケボー禁止令がでた。
蒼もあんまり行ってないみたいだったが、きっと俺よりは頭がいいんだろうな。
会いたいなと思いながら勉強し続けた。