☆空色の傘☆【完】
「空っ!!」
走り寄り俺の腰に腕を回して抱きつく蒼。
反射的に受け止めて、受け入れ抱き締めかえす。
抱きつきながら俺を見上げてニッコリ。
「空…16歳のお誕生日
おめでとう~!!」
「ありがとう」
そっと耳元に言う。
周りは「離れろよぉ」とか「腹へったから食おうよ」とか賑やかだ。
蒼をほんの少しだけ離し、みんなに向かい「みんな、サンキューな!」と伝える。
すると、陸也が「よぉしっ!!ほら、みんな、グラス持てぇ~」と声を上げる。
俺と蒼は亮一から受け取り構える。
「ほら、蒼。
一言乾杯の挨拶しとけ♪」
ハイテンションの声で陸也が蒼に言う。
「はぁい!!みんな、グラス持ったぁ?
え~今日は神木空の誕生日パーティーに
参加してくれてありがとう!!
こんなにも集まって貰えて、
空がいいやつだから周りも
素敵な人ばっかりだって思う。
それじゃあ、人気者の空君の
誕生日を祝ってぇ~
かんぱぁ~いっ!!!!」
「かんぱぁいっ!!」カチンッ…カチャン…
☆☆☆
「蒼、今日はありがとな。
昨日の夜は、二人きりじゃないのが
嫌だって思ってたけど、
こうゆうのも悪くないな、」
一時間位だったころ、俺は素直な感想を蒼に話した。