☆空色の傘☆【完】


「なっ!?適当なこと言ってんなよ!!
彼女なんて居ねぇよっ!!」


思わずかなりデカイ声で恥ずいことをいってしまって、蒼をはじめ公園にいるみんなの注目を集めてしまった…


ギャラリーの女たちが「じゃぁ、あたし、なりたいぃ~」とか騒いでる。


蒼は感情の読めない顔でじっと俺を見てたが、ニカッと笑うと「そっかぁ~♪」と嬉しそうにクルクル回ってた。


そのうちみんなもそれぞれになり、俺の発言はもうそれきりになった。


「ま、俺は相手が誰でもいいけど、
これだけは言っとく。
蒼を嬉し泣き以外で泣かすようなことが
あったら…そんときはぶっ飛ばす…
だけじゃ済まないくらい
叩きのめすから…覚えといて。」


陸也が俺に真剣な眼差しを向けて言った。


俺はただ「分かった、泣かせない」と答えるのがやっと、陸也は普段とは違って、蒼への強い思いを全身で現してて、冗談もこの時は言えなかった。


☆☆☆


それからはまた以前のように仲間として話したり帰ったり…


でも、自分の中で蒼への想いが溢れそうで、いつまでも『友達』とかヘタレなことは言ってられないとようやく覚悟を決めたのが卒業式の前夜だった…





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