☆空色の傘☆【完】
すると…ますます顔を赤くし、それも照れってより怒りで…声を強めた。
「なっ!話しっ、聞いてるのっ?
せっかく、あたしが言ってるのに、
信じらんない!!」
「はぁっ?!」
思わずデカイ声が出た…
「お前…マジ、バカでムカつく…」
呆れてしまい、そいつが憐れに思えた…
「あのさ、一体何がしたいわけ?
一年以上しゃべらない、連絡先も知らない
そんな相手に、何を求めてんの…
見てりゃ当然わかってると思うけどさ、
言われないとわかんねぇみたいだから、
あえて言わせてもらうけど」
一呼吸おいて続ける。
「そもそも、あんたから言われて
付き合って、『なんか違う』って
別れたんだ。俺はあんたに一切、
未練とかねぇから。
で、一年半ぶりで追っかけ回されても、
全く意味わかんねぇし、
今も未来も、この蒼だけだから、
俺の相手は。
だから、バカみたいなこと
言ってねぇで、ダチ探して
帰れよ…迷惑だ。」
そこまで、強く言い切ってやった。
さすがに少し涙目だが、関係ない。
「蒼、お待たせ…マジ疲れた…
クラスで休もうぜ…」
「うん♪」
可愛く元気に返事した蒼の手を引き、立たせて、肩に手を回して校舎へ歩き出す。
「あ、ちょっとだけ…」
蒼がそいつの方へ行こうとする。