ぶらばん!
吹奏楽部の部室は、校舎のはなれにある。
見た目は倉庫のような建物だったけど、
外見とは裏腹に中は綺麗で土足禁止。
灰色のじゅうたんが敷き詰めてある部屋だった。

部室の中は必要最低限な広さで
指揮台を中心に半円形にパイプいすが並べられていた。

すこし古ぼけたグランドピアノが一台
大きなスピーカが添えられたオーディオと
そのうえつけられたラックに
整頓されてCDが並んでいた


しばらくするとさらに奥の部屋から部員が出てきて
思い思いに音出しを始める。

どうやら奥の部屋は楽器庫のようだった。


「ねぇ、アノ縦笛??はなんていうの?」
「あれはクラリネットだよ。私もあの楽器を吹いてるの。」
「あれの大きいラッパは?」
「あれはチューバだよ」


ふーん…
なんか初めて見る楽器ばっかり。
ラッパってこんなに種類あるんだ…
知らなかった。。




「じゃぁ基礎練はじめまーす。」
「「「お願いします!!!」」」

部員の目つきが変わる
そこからは真剣な空気が伝わってきた
私たちも会話をやめた

「テンポ60、16拍のばして…8休みでmf。周りの音をしっかり聞いてロングトーンしてください。」
「「「はい!!!」」」


ロングトーン…
聞いている限り同じ音をのばして
ド→レ→ミ…
と音があがっていく練習のようだ

なんだろう…
私は全然そんな知識ないけど、
1つ1つ違う楽器なのに
キレイに重なった音を聞いて

なんだか感動した。


ただ音をのばしているだけなのに


こんなに1つの音をじっくり聞いたのは
ピアノならってたころでもなかったなぁ…
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