【BL】俺がお前にできること




手を繋いでるこの瞬間だけでも、俺だけを見てくれたら良いのに……



お前の頭ん中、鈴のことばっかり。




黙ってなにも言わない俺に郁馬が


「翔太もしかして、すーちゃんのこと好きなの?」と聞く。


んな訳ないよ。
俺が好きなの、お前なんだよ、郁馬。



そんな言葉は飲み込んで



「ちがうよ」とだけ返す。


そんな俺の返事にあからさまにホッとする郁馬。




ごめんな、こんな最低な友達で。

協力できなくて、ごめんな。




好きになって……本当に、ごめん。


手離せなくて、ごめん。




沢山のごめんを抱えながら
より強く郁馬の手を握って帰った。




幸せの意味、考えて泣きそうになった。






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