【BL】俺がお前にできること
違和感を感じながら
午後の授業もやり過ごして、郁馬と体育館へむかう。
着替えに行った郁馬を見つめながら、もう潮時なのかなって溜め息を溢す。
そんな俺に
明るい声で呼ばれた挙げ句、肩に腕を回されて
その時に鼻腔をくすぐった柑橘系の香水に
その人の腕を振り払った。
「いってー。今日は機嫌悪いなぁー、翔太くん」
「剛さん……なんで」
「言っただろ?俺も時々、友達を待ってるって。いいだろ?一緒に待ってようよ!」
ニコニコと笑顔を向けられて、それに裏がある気がして視線を逸らした。
そのあと、鈴もやって来たけど
気づかないふりして、ずっと視界には郁馬だけ入れた。
あぁ……最近、鈴と郁馬がよく話す……
モヤモヤした感情が心臓を締め付けて、苦しくって
必死に手でそこを押さえるけれど
治るはずもなかった。