【BL】俺がお前にできること
でも、あれ……?
今日はやけに郁馬と目が合う。
……俺が見すぎるせいかな?いや、でも郁馬がわざわざ俺を見ることなんて、今までになかった。
その行動は、俺にまるで好意をもってくれてるみたいで、無性に嬉しくなった。
今、鈴と話してるくせに俺と目が合った……
今、お前の心にいるのは、俺……?
そうだったら……俺……
「……くくっ、わっかりやすー」
急に隣で笑い声が聞こえて
見上げれば、剛さんが面白そうに俺を見ていた。
「分かりやすいよなぁー翔太くんは。頬が真っ赤」
「……っ、放っといてください」
いいじゃないか。
だって、今この瞬間
俺は鈴に勝てた気持ちになってるんだから。
それだけ分かりやすい反応された方が俺としては助かるけどな、と小声で言った剛さんの声は
アイツに夢中の俺には決して聞こえなかった。