【BL】俺がお前にできること
立ち尽くして、頭の中ぐるぐるして
俺のできること、考えて
でも自分のことも大事にしたいって、自己中に考えて
郁馬が俺の顔も見ずに「帰ろう」って通りすぎていくのに、泣き出しそうになった。
帰り道もずっと俺は思っていた。
もう、郁馬の隣には歩けないって。
だから、ずっと後ろ歩いて
お前の後ろ姿、目に焼き付けた。
「今日の昼休み、剛さんと話したんだ」
「うん」
「突然、“すーちゃんが好きなんだろ”とか“周りが見えてねえな”とか言われて、正直イラつく先輩だなって思った」
「うん」
親友だから、郁馬は包み隠さず言ってくれる。
親友だから、俺はそれを受け入れる。
「その時に、言われたんだ。でも信じられなくて……そう言ったら剛さんに今日だけは翔太を見ててって言われて……でもまだ疑ってる」
「うん」
親友だから、
親友だから、
「翔太。お前、俺が好き……なのか?」
親友だから、言えないのに。