【BL】俺がお前にできること
ヒナには聴こえない、僕たちだけの会話。
その返事に「叶笑さんも」とだけ返す。
そして、叶笑さんはヒナにばいばいって手を振って行ってしまった。
モデル並のスタイルで
長い髪は毛先15センチくらい巻いていて大人っぽい。
笑ったり話してみたら可愛らしいのにね。
……ちょっと、嫉妬。
じーーと叶笑さん見ていたらヒナに
「惚れた?」
と冗談混じりで微笑まれて、みぞおち殴った。
冗談でも、ちっとも面白くないね。
「……あの人、だれ?」
「あれ?叶笑さんと話してる時に聞かなかったの?」
「あの人は、ヒナの何?」
「あの人のお父さんと俺の父さん、会社関係で仲がいいんだ。それで幼い頃から、仲良くさせてもらってる。それだけだよ」
距離の遠い幼なじみみたいなもんだよ、て穏やかに笑ったヒナは決してウソをついてる顔ではなかった。
だから、笑った。
しっかり笑えた自信はないけれど
ヒナに心情を読まれてないということは、隠せたのだろう。