【BL】俺がお前にできること
「弥生ちゃんどうしたの?いつもなら、そんなに追及しないのに。つか、何も聞かないのに」
「なんとなーくだよ、ヒナ」
「…そっか、でもそうやって聞いてくれた方が嬉しい。思い詰められるより、ずっと」
僕の家まで送ってくれたヒナは最後に僕にちゅっと口付けて目を細めて笑った。
「大好き、弥生」
強く強く抱き締めて、家族に見られるかもって
一瞬、頭に過ったけれど
今は、ヒナの温もりを感じていたかった。
ねぇ、ヒナ?
ずっとずっと一緒にいたいって思ってたのは僕だけだったり、するのかな。
一瞬の儚い幸せを、ヒナは願ったのかな。
数時間前の叶笑さんとの会話の一部を、頭に巡らせる。
『陽向とあたし、来年の4月に結婚するの。……驚いた?でもこれは、3、4年前から決まっていたことなのよ』
『きっと弥生くんには、サプライズしたいのかもね。それか…………言う必要もない、とかね。あたしの予想だけど』