【BL】俺がお前にできること
8時57分。
もうすぐHRが始まる時刻。
それなのに、俺はまだ自分のベッドの上だった。
寝過ごしたわけではない。
だって昨日の夜からずっと目ぇ開けたまま、ぼーと考え込んでいたのだから。
アイツのこと考えると
余計に目尻が熱くなるから早く夢の中へ行きたかったのに、そうはさせてくれない。
俺の気持ち悪い感情が、邪魔をして
俺を現実へと止めさせる。
もう、二人は体育館で話し合ったのだろうか。
今度こそ、本当に想いは通じたのだろうか。
そうだったのなら……
お前が幸せなら、俺だって幸せ。
「……っ、なれない、よ……」
そんな綺麗事を並べた言葉、欲深くなってしまった今の俺には、あまりにも不釣り合いな言葉だった。