【BL】俺がお前にできること
4時間目が終わるチャイムと同時に俺のお腹が鳴って、恥ずかしくて苦笑する。
またそれと同時に、郁馬が俺のとこへ来る。
はあ……きもちわる。
こんな俺に、近づかないでほしい。
でも、目が合った瞬間
張り詰めていたものが、ひゅっと緩んだような気がした。
緩んだ気持ち、そのまま顔に出ちゃって
小さく笑ってみせた。
「……お前、どういうつもり?」
「……」
「お前のこと待ってたのに、なんですーちゃんが来んだよ?ちゃんと説明しろ、翔太」
「説明、ね。ただの罪滅ぼしだよ」
「罪滅ぼし?」
そう。これは俺の勝手なわがままで二人のことどうもしなかった、俺自身の罰。
郁馬を自分のものにしようとした……鈴の気持ちも郁馬の気持ちも知っていながら。
そこまでして、俺は郁馬に好きになってほしかった。
そんな0%の確率の恋愛なんて、、、時間のムダなのに。
どうせ叶わないのに、期待だけ大きくなっていく……こんな苦しい想い、もう要らない。